Java Remote Method Invocation: 2 - Java 分散オブジェクトモデル

Java Remote Method Invocation

2.4 RMI インタフェースとクラスの概要

RMI システムのリモート動作を決定するインタフェースとクラスは、java.rmi パッケージの階層で定義されます。次の図は、このうちいくつかのインタフェースとクラスの関係を示します。

2.4.1 java.rmi.Remote インタフェース

RMI において、リモートインタフェースは、リモート Java Virtual Machine から呼び出される可能性があるメソッドのセットを宣言するインタフェースです。リモートインタフェースは、次の要件を満たしている必要があります。

リモートインタフェースが、少なくとも java.rmi.Remote インタフェースを直接または間接的に継承する

リモートインタフェース内の各メソッド宣言が、次のリモートメソッド宣言の要件を満たしている

リモートメソッド宣言の throws 節に、アプリケーション固有の例外のほかに、例外 java.rmi.RemoteException (または java.io.IOException や java.lang.Exception などの java.rmi.RemoteException のスーパークラスの 1 つ) が含まれている。ただし、アプリケーション固有の例外は、java.rmi.RemoteException を継承する必要はない
リモートメソッド宣言で、パラメータまたは戻り値として宣言された (パラメータリストで直接宣言されたか、パラメータの非リモートオブジェクト内に埋め込まれた) リモートオブジェクトは、リモートインタフェースの実装クラスとしてではなく、リモートインタフェースとして宣言される必要がある

java.rmi.Remote インタフェースは、メソッドを定義しないマーカインタフェースです。

public interface Remote {}

リモートインタフェースは、少なくとも、java.rmi.Remote インタフェース (または java.rmi.Remote を継承する別のリモートインタフェース) を継承する必要があります。ただし、次の条件下では、リモートインタフェースは、非リモートインタフェースを継承する場合があります。

継承するインタフェースのすべてのメソッド (存在する場合) がリモートメソッド宣言の要件を満たしている場合、リモートインタフェースは、別の非リモートインタフェースも継承できる

たとえば、次のインタフェース BankAccount は、銀行口座にアクセスするためのリモートインタフェースを定義しています。ここには、口座への預金、差引残高の取得、および口座からの引き出しを行うためのリモートメソッドが含まれています。

public interface BankAccount extends java.rmi.Remote {
	public void deposit(float amount)
		throws java.rmi.RemoteException;
	public void withdraw(float amount)
		throws OverdrawnException, java.rmi.RemoteException;
	public float getBalance()
		throws java.rmi.RemoteException;
}

次の例では、有効なリモートインタフェース Beta は、リモートメソッドおよび java.rmi.Remote インタフェースを持つ非リモートインタフェース Alpha を継承しています。

public interface Alpha {
	public final String okay = "constants are okay too";
	public Object foo(Object obj)
		throws java.rmi.RemoteException;
	public void bar() throws java.io.IOException;
	public int baz() throws java.lang.Exception;
}


public interface Beta extends Alpha, java.rmi.Remote {
	public void ping() throws java.rmi.RemoteException;
}

2.4.2 RemoteException クラス

java.rmi.RemoteException クラスは、リモートメソッド呼び出しの間に RMI ランタイムがスローする例外のスーパークラスです。RMI システムを使うアプリケーションの安定性を保つために、リモートインタフェースで宣言される各リモートメソッドは throws 節の中で java.rmi.RemoteException (または java.io.IOException や java.lang.Exception などの java.rmi.RemoteException のスーパークラス) を指定しなければなりません。
例外 java.rmi.RemoteException は、リモートメソッド呼び出しがなんらかの理由で失敗したときにスローされます。リモートメソッド呼び出しは、以下のような理由で失敗することがあります。

通信障害 (リモートサーバにアクセスできないか、リモートサーバが接続を拒否している。サーバによって接続が切断されたなど)

パラメータまたは戻り値の整列化または非整列化中の障害

プロトコルエラー

RemoteException クラスは、チェックされる例外 (リモートメソッドの呼び出し側が処理する必要があり、コンパイラによってチェックされる例外) で、RuntimeException ではありません。

2.4.3 RemoteObject クラスとそのサブクラス

RMI サーバ関数は java.rmi.server.RemoteObject とそのサブクラス、java.rmi.server.RemoteServer と java.rmi.server.UnicastRemoteObject、および java.rmi.activation.Activatable が提供します。

java.rmi.server.RemoteObject クラスは、リモートオブジェクトを感知できる java.lang.Object メソッドである hashCode、equals と toString の実装を提供する

リモートオブジェクトを作成してエクスポートする (リモートクライアントが利用できるようにする) メソッドは、UnicastRemoteObject クラスおよび Activatable クラスによって提供される。サブクラスは、サーバが単純なリモートオブジェクトであるか、または起動可能なリモートオブジェクト (呼び出しにより実行されるオブジェクト) であるかなどの、リモート参照のセマンティクスを識別する

java.rmi.server.UnicastRemoteObject クラスは、サーバプロセスの活動中にだけ参照が有効な単一 (ユニキャスト) リモートオブジェクトを定義する

java.rmi.activation.Activatable クラスは、リモートメソッドの呼び出し時に実行を開始し、必要に応じて自身を終了することができる activatable リモートオブジェクトを定義する抽象クラスである

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