JDK 1.1 - AWT の拡張
JDK 1.1 の AWT は、大規模な GUI 開発の豊富な下層構造の構築に着手しようとする一方で、広範な品質向上を提供することを目的としています。API 全体に対して拡張および変更を行なっていますが、1.0 API との下位互換性を維持し、既存のアプレットも引き続き実行できるようにします。
多くの AWT の変更と拡張は、ツール開発者のニーズを念頭においています。優れたソフトウェアツールは Java 技術の可用性と成功の基本です。さらに、1.1 の AWT は JavaBeans アーキテクチャをサポートします。実際、1.1 のすべての AWT コンポーネントは、簡単な Java Beans です。
1.1 AWT には Win32 実装の完全な書き直しを含め、広範囲の改善が行われています。しかし、このドキュメントは API の変更に主眼を置きます。
これらの API は JDK 1.1 の最終バージョンで修正される可能性があることに注意してください。修正は、テストと Java 開発者による実際の使用に基づくフィードバックの結果として行われます。これらのドキュメントを定期的に更新し、このような変更を反映するようにします (「最近の更新」を参照)。将来の計画については、「AWT: 次世代」を参照してください。
フィードバックを歓迎します。
これまでに受け取ったフィードバックに答えて、ドキュメントに対して次の修正が行われました。フィードバックに時間を割いてくださった方々に感謝します。
1997 年 8 月 13 日
- ドラッグ&ドロップの仕様を、JFC の一部として開発された、新しいドラッグ&ドロップ仕様に置き換えた
1997 年 2 月 4 日
1997 年 1 月 29 日
- ドキュメント「Lightweight UI Framework」を追加した
1997 年 1 月 3 日
- 委譲イベントモデル
- 新しい TextEvent/TextListener クラスを追加し、テキストコンポーネント上にテキスト値変更イベントを有効にした
- 新しい windowActivated/windowDeactivated イベント型を WindowEvent に追加し、ウィンドウがフォーカスを得たり失ったりするときをプログラムが判別できるようにした
- isTemporary() メソッドを FocusEvent に追加し、フォーカスをコンポーネント間で明示的に移動するとき、およびフォーカスが一時的に変わるときの違いを判別できるようにした (ウィンドウが非アクティブ化されたときなど)
- 新しい ContainerEvent/ContainerListener クラスを追加し、コンポーネントがコンテナに対して追加/削除されたときの通知を有効にした。これにより、コンテナが、自分自身をそのすべての子孫上のイベントのリスナーとして登録することが比較的簡単になった
- 入力イベント消費が機能する方法を変更した。現在では InputEvent 上に新しい consume() メソッドがあり、すべてのオブジェクトが入力イベントを「消費」できる (以前はサブクラスだけで可能だった)
- AWTEventMulticaster クラスを public にし、AWT 定義イベントに対してマルチキャストソースとして活用したいコンポーネントサブクラスを再使用できるようにした
- java.awt.event アダプタクラスを abstract にし、これらは拡張して利用するものであることを明確にした
- 古い 1.0 イベントをパラメータとして取る java.awt.event の Event クラスの古いコンストラクタを削除した
- ComponentEvent 型のイベント ID 値を変更し、WindowEvent ID と 衝突しないようにした
- java.awt.event.KeyEvent に仮想キーコード識別子を追加し、キーボード上のすべての標準キーを適切に表せるようにした。キーイベントの keyCode プロパティには現在、これら識別子の 1 つが入っている (Ascii 整数に相当するものの代わり)
- ItemSelectable インタフェースを変更し、項目を文字列で表すことを強要しないようにした。特に、getSelectedIndexes および getSelectedItems メソッドを Object の配列を返す getSelectedObjects メソッドで置き換えた
- 「互換性」および 1.0 と 1.1 の混在の機能の文を更新した
- ポップアップメニュー
- isPopupTrigger() メソッドを java.awt.event.MouseEvent に追加し、マウスイベントが、与えられたプラットフォームでポップアップメニューを表示するかどうかを判別するために、プラットフォーム独立の機構を提供した
- 例を更新し、1.1 イベントモデルと isPopupTrigger() メソッドを使用するようにした
1996 年 12 月 11 日
- 次世代: 将来の計画を記述するドキュメントへのリンクを追加した
1996 年 11 月 21 日
- デスクトップカラー
- デスクトップカラーを新しい SystemColor クラスに移動した (これらが色の特殊型であるため)
- グラフィックスとイメージ: 当仕様の最初のバージョン
1996 年 10 月 25 日
- 委譲イベントモデル
- 「拡張コンポーネントのイベント処理」の節について再作業を行い、サブクラスのイベントを処理するためにメソッドのオーバーライド方法により柔軟性を与えた
- システムにイベントキューオブジェクトを追加し、入ってくるすべてのイベントに対して、中央でのアクセス/ビューを可能にした
- AdjustmentListener および ItemListener インタフェースを簡単にし、単一メソッドだけを含むようにした
- 各セマンティックリスナーが現在単一のメソッドしか持たないため、 3 つのセマンティックアダプタクラスすべてを削除した
多くの方々が、これらのドキュメントのアイディアと設計に貢献してくださいました。とりわけ、次の方々からご助力をいただきました (アルファベット順: Tom Ball、Larry Cable、Amy Fowler、Jim Graham、Graham Hamilton、Herb Jellinek、Jonni Kanerva、Tim Prinzing、Blake Sullivan、Carl Quinn、Arthur Van Hoff)。
- Copyright © 1996, 1997 Sun Microsystems, Inc.
- 最終更新日: 1997 年 8 月 13 日
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